いよいよ2020年7月24日から、56年ぶりのオリンピック東京大会が開催されます。賛否はありましたが、マラソン競技も暑さ対策として、北海道の札幌開催に変更されました。競技に参加する選手はもちろんですが、観戦する側も暑さ対策が必要です。世界的なスポーツの祭典に、海外からの観光客も大勢訪れます。 例年以上に需要拡大が予想される暑さ対策に備え、今から準備を始めましょう。
目次■1964年と2020年の気温の差は? |
■1964年と2020年の気温の差は?
1964年の五輪開催期間は10月で、気温は最高気温が20度前後の日が多く、最も気温が高かった日でも23.3度でした。一方2020年大会は真夏の開催で猛暑が心配されています。今年のオリンピック開催期間にあたる2019年7月24日から8月9日までの気温をみると、東京都心では全ての日が30度以上の真夏日で、35度以上の猛暑日が6日もありました。2019年の期間中の最低気温が1964年の最高気温を上回ったといいますから、暑さの差は歴然です。
暑さで心配なのが熱中症です。熱中症とは、汗や皮膚温度で体温の調節ができず、体内のバランスが崩れることで生じるさまざまな症状の総称です。 体温の上昇と調整機能のバランスが崩れると、どんどん身体に熱が溜まってしまいます。体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。熱中症は気温・湿度などの環境条件を把握し、それに応じた水分補給や休憩をとることでかかるリスクを下げることができます。正しい予防法を知り、熱中症のリスクを抑えましょう。
■スポーツ観戦時の暑さ対策、5つのポイント
1.体調を整えて参加しよう
スポーツ観戦の前日は、エアコンや扇風機を適度に使って睡眠環境を整え、寝ている間の熱中症を防ぐと同時に、ぐっすりと眠ることで翌日に備えましょう。日頃からバランスのよい食事やしっかりとした睡眠をとり、体調を万全にすることで、熱中症になりにくい体づくりをすることが大切です。
2.まずは水分&塩分補給
スタジアムや体育館など屋外・屋内どちらで観戦していても、水分補給を忘れずに。のどがかわいていなくても、こまめに水分をとりましょう。また、大量の汗をかくときは、特に塩分補給をしましょう。手軽に塩分補給ができる飴やタブレットなどを活用するとよいでしょう。また、スポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給にもつながります。利尿作用があるカフェインやアルコールは要注意です。外にいる時間が長いスポーツ観戦時は、少し大きめの水筒や、クーラーバッグがあると、いつでもひんやり冷たいドリンクを飲めるので便利ですね。
3.カラダの外からもクールダウン
熱中症のリスクを下げるには「冷却すること」も大事です。衣服も工夫して、通気性や速乾性のよい生地を選ぶとよいでしょう。首筋などの太い血管がある部分を冷やすと、身体全体を冷やすことができます。前日から濡れタオルを凍らせておいて、首筋を冷やしながら観戦するのも良いですね。叩くだけで冷える瞬間冷却剤や服の上から使える冷却スプレー、水につけて首に巻くだけで冷たさを感じることができる冷却タオルやストールも手軽で便利なので、ぜひ活用しましょう。うちわや扇子などは常にバッグの中に入れておきましょう。
4.日差し対策
屋外でスポーツ観戦をするときに、特に徹底したいのが日差し対策です。帽子や大きめのタオル、日傘などで直射日光を避けましょう。また、なるべく風通しの良い日かげで過ごすなど工夫しましょう。スポーツ観戦では日傘をさしていると後ろの人の邪魔になることもあるので、帽子がおすすめです。「つばがついていて」「通気性が良いもの」が良いでしょう。頭部に日光が直接当たらないことが、頭の温度が上昇するのを防ぐポイントなので、サンバイザーはNGです。
熱中症とは直接関連しませんが、紫外線対策も忘れずに。日焼け止めクリームは出かける前にしっかり塗り、観戦中もこまめに塗り直しましょう。首筋はうっかり日焼けしやすい場所なので、塗り忘れのないように。首を守る生地が付いているタイプの帽子もありますよ。
5.環境条件を把握して対応を
気温や湿度をチェックし、環境の熱中症リスクがどれぐらい高いのかを知り、対応しましょう。環境省が、「暑さ指数※」という熱中症の危険度を数値化した指数を、毎日発表しています。ほぼ安全・注意・警戒・厳重警戒・危険の5段階で、その日、その時間の危険度をお知らせしています。ぜひチェックしてからでかけましょう。
※暑さ指数(WBGT) 人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標。 |
株式会社ヒロモリは、気象の専門家である、一般財団法人 日本気象協会と商品開発チームを結成し、持ち歩き可能なハンディタイプや、屋外設置が可能なタイプの熱中症計を開発しました。
スポーツ観戦に限らず、海やプールに花火、フェスなど、夏は楽しいイベントが盛りだくさんです。暑さ対策グッズを上手に使って2020年の夏を乗り切りましょう。