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WBGT(暑さ指数)について網羅的に解説! おすすめの計測器も紹介

WBGT(暑さ指数)について網羅的に解説!

おすすめの計測器も紹介

令和3年4月より、環境省と気象庁による「熱中症警戒アラート」の運用が始まります。新型コロナウイルスの感染予防のために、マスクの着用や充分な換気を行わなければならないため、コロナ禍の熱中症対策は特に注意が必要です。
熱中症リスクの判断基準として、WBGT(暑さ指数)を知ることが重要なのですが、まだWBGTに馴染みのない方も多いかと思います。
そこで今回は、WBGTとは?という基礎的な部分から、重要性、計測方法、計測器の選び方を網羅的に紹介していきます。
WBGTを正しく理解し今年の夏を乗り切りましょう!

 


目次

■WBGTとは?
■WBGTの重要性
■WBGTを測るには?
■WBGT計測器の選び方
■おすすめWBGT計測器のご紹介

■まとめ

 

WBGTとは?

暑さに対する新しい情報として、令和3年4月から環境省と気象庁より熱中症警戒アラート発表が開始されました。熱中症警戒アラートでは、気温ではなくWBGTを基本とした暑さ指数をもとに、「暑さ」への気づきを促し熱中症への警戒を呼びかけています。

このように、近年、暑さへのリスク評価に用いられるWBGTですが、本来のWBGTは、Wet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略称で、暑さを総合的に判断した指数です。熱中症を予防するために、1954年にアメリカで提唱され、熱ストレスの評価指数としてISO7243で国際的に規格化されました。

wbgt暑さ指数の説明図

WBGTは、下記の3つの観点から計測されます。

・気温
・湿度
・輻射熱(日射により受ける熱や、地面、建物、体などから出る熱のこと)

※厳密には、風もこのWBGTに影響するそうです。

WBGTの3要素の割合

WBGTの3要素の割合の図

WBGTを計測するための気温、湿度、輻射熱は、1:7:2の割合で求められます。つまり、この指数においては、7割を占める湿度が最も大きく影響します。

ちなみに、湿度が高いと体から熱を外に出すことができなくなり、体内に熱がこもりやすく、結果として熱中症のリスクが高まります。実際に、気温が同じでも湿度が高い日は熱中症の患者数が増加しやすい傾向があります。熱中症のリスクに対応するためには、最高気温を気にするだけではなく、「WBGT(暑さ指数)」を参考にして対策することが重要です。

WBGTの重要性

WBGTは、湿度や輻射熱も含めたものを総合的に計測するため、熱中症のリスク軽減に大きく貢献しています。実際に、WBGTが28°Cを超えると熱中症患者は著しく増加します。

以下の表がWBGTの日常生活に関する指針と運動時に関する指針です。

日常生活に関する指針

WBGT指数

注意すべき
生活活動の目安

注意事項

危険(31°C以上)

全ての生活活動で起こる危険性

高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。

厳重警戒(28〜31°C)

全ての生活活動で起こる危険性

外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。

警戒(25〜28°C)

中等度以上の生活活動で起こる危険性

運動や激しい作業をする際は定期的に充分な休息を取り入れる。

注意(25°C未満)

強い生活活動で起こる危険性

一般的に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。


運動時に関する指針

WBGT指数

熱中症予防
運動指針

詳細

31°C以上

運動は原則禁止

特別の場合以外は運動を中止する。特に子供の場合は中止すべき。

28〜31°C

厳重警戒(激しい運動は中止)

熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。暑さに弱い人は運動を軽減または中止。

25〜28°C

警戒(積極的に休憩)

熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。

21〜25°C

注意(積極的に水分補給)

熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。

21°C未満

ほぼ安全(適宜水分補給)

通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

出典:環境省 熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?

日常生活の指針のポイントは、WBGTが高い(危険、厳重警戒)場合、室内でも熱中症のリスクがあるということです。そのため、「室内にいるから熱中症のリスクが低い」と考えるのではなく、室内でも充分に警戒し、こまめな水分補給などで対策しましょう。厳重警戒である、WBGT指数28〜31°Cを超えた時は要注意ですので、室内ではクーラーを入れたり、屋外ではマイボトルを持参するなど、対策をしましょう。

また、運動時の指針ポイントは、指数が警戒(25〜28°C)を指している時点で、屋外の運動(持久走や長距離を走るスポーツ)は避けましょう。屋内スポーツでも湿度が高くなる傾向があるので、充分な換気とこまめな水分補給が必要です。

WBGTを測るには?

WBGTを測るためには、専用の計測器を使う必要があります。計測結果を上記で紹介した指針に照らし合わせて、熱中症リスクを確認しましょう!

WBGT計測器とは?

一般的なWBGT計測器

WBGT計測器は、気温、湿度、輻射熱を同時に測ることができます。温度計との違いは、湿球温度(湿度を測るもの)と黒球温度(輻射熱を測るもの)が一体になっているということです。この計測器では、主に3種類の温度を計測し、WBGT値を算出します。

・黒球温度(GT:Globe Temperature)

黒い球体の中心部分で計測する、太陽光などの輻射熱を考慮した温度です。 黒い球体はつや消しで、中は空洞となっています。

・湿球温度(NWB:Natural Wet Bulb temperature)

水で湿らせたガーゼにくるんだ温度計で測定された温度で、湿度と気流の影響を評価します。

・乾球温度(NDB:Natural Dry Bulb temperature)

通常の温度計を使用し、実際の気温を測定します。

WBGT計測器の選び方

WBGT計測器の選び方ポイント

より正確な計測のために、WBGT計測器を選ぶ際のポイントを整理します。

黒球付きかどうか

最も重要なポイントは、黒球が付いているかどうかです。黒球は、日射と輻射熱を計測することができるため、これが付いていないと正確な計測ができません。

JIS規格かどうか

JIS規格とは、簡単に説明すると国の厳しい基準に対応しているかどうかということです。平成29年3月に、電子式WBGT測定器のJIS規格化が行われ、測定器の精度を担保しようという動きが起こりました。つまりJIS規格の計測器は、品質の高さや安全性などが担保されているということになります。WBGTをより実用的に、かつ高い信頼性で測定するための計測器が対象となるため、JIS規格は計測器を選ぶ上で重要な要素になります。

その他ポイント

上記の2つが特に重要なポイントですが、用途によって最適なものを選びましょう。

・設置のしやすさ
・ハンディータイプかどうか
・数値の見やすさ

計測器によっては、色で警告を表示してくれるものもあります。使用する場所や数値の見やすさを意識して購入すると良いでしょう。

おすすめWBGT計測器の紹介

一般財団法人 日本気象協会 監修/黒球付熱中症計(屋外・屋内切替付き)

黒球付熱中症計(屋外・屋内切替付き)

民間気象会社の一般財団法人 日本気象協会が監修し、ヒロモリが販売する計測器で、確認のしやすさ、設置のしやすさ、計測精度に優れています。10分おきに自動で計測し色で危険度を表示するので、工事現場や学校などこまめなチェックが必要な現場で活躍しています。

一般財団法人 日本気象協会 監修/黒球付熱中症計(携帯用)

黒球付熱中症計(携帯用)

持ち歩き可能なハンディタイプです。10分おきに自動で計測し、危険をお知らせします。厳重警戒(28〜31°C)、危険(31°C以上)になると、ブザー音でも警告します。

まとめ

今回は、WBGTについて紹介しました。地球温暖化の影響により、猛暑日(日最高気温が35℃以上)や熱帯夜(日最低気温が25℃以上)の年間日数も増加傾向にあります。熱中症のリスクを軽減するためには、今いる環境のWBGTを知り、対策していくことが重要です。

ヒロモリでは、一般財団法人 日本気象協会 監修のもと、黒球付熱中症計の「設置タイプ」と「携帯タイプ」を製造しています。他にも、様々なオリジナルグッズ製作を行っており、熱中症対策グッズも扱っています。サッカーチームで黒球付熱中症計を活用した熱中症の啓発イベントの実績もあります。黒球付熱中症計とオリジナルグッズ製作の企画や、配布イベントなど、組み合わせてご提案することも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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